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特集 2015.1.7UP | Artist Interview@試聴室 Vol.5

サックスプレーヤー MALTA

作り手の意図が、そのまま聴こえてくる。

ジャズプレーヤーとして、サックス演奏・作曲など精力的に音楽活動をしながら、母校である東京藝術大学客員教授として教鞭も振るうMALTAさん。本日はHARMAN Storeの特別試聴室にお招きして、ご自身のアルバムや思い出の曲を試聴室のサウンドシステムで聴いていただいた感想や、未来の音楽界を担う学生たちへのメッセージなどをうかがいました。

Q:最初に、オーディオに関する思い出があったらお聞かせください。

MALTA:子どもの頃、祖父が蓄音機を持っていて、祖父の好きだった古賀政男を、よく聴かせてもらいました。それが僕のオーディオの原体験かもしれませんね。最初は竹針でそれが鉄針に変わったのを覚えています。自分自身としては、大学に入ったばかりの頃でしたが、友だちの影響もあって、オーディオにかなりこだわりました。もう型番は忘れてしまいましたが、JBLの大きくて非常に重いスピーカーを買いました。でも、小さな部屋だったので、ボリュームのつまみは少しひねれば十分でした(笑)。

Q:その後ミュージシャンになられて、音楽の聴き方は変わったのでしょうか。

MALTA:変わりましたね。レコーディングスタジオには大きなスピーカーが置いてあって、それを長時間大音量で聞きますから、家ではできるだけ耳を休めるようにしています。家で音楽を聴くときには「楽しむ」というより、自分のCDを一般の人はどんな音で聴いているのだろうか、とチェックするつもりで聴くことが多いです。たとえば録音したばかりの音源をチェック用に仮ミックスしてもらって、小さいラジカセやコンポで鳴らしてどう聞こえるかを試してみるとか。また自分のCDと、他のアーティストのCD、たとえばブルーノートのリマスターで有名なルディ・ヴァン・ゲルダーが手かけたCDとをコンパクトなオーディオで再生して比較してみたり。“自分が楽しむ”ための音楽の聴き方から、“どうすれば聴く人により音楽を楽しんでもらえるか”という方向に考え方が変わっていきました。

素材そのままの、素朴な音。本当はこんな音だったんですね。

Q:それでは今日はJBLのフラッグシップスピーカーDD67000とマークレビンソンのアンプ、プレイヤーで、音楽をご試聴いただきたいと思います。まずは名盤中の名盤、マイルス・デイヴィスの「kind of blue」を聴いていただき、感想をうかがいます。どの曲をおかけしますか。

MALTA:そうだなあ、では「Freddie Freeloader」をお願いします。

Q:(試聴が終って)いかがでしたか。

MALTA:学生時代聞いていたアナログレコードは、もっとリバーブ(残響)がかかっていて、ベースがボンボン響いていた印象があるんだけど、実は意外とリバーブがかかっていないんですね。ノンリバーブと言ってもいいくらい。今思えば、リバーブだと思っていたのは、当時の自分の部屋の、部屋鳴りだったのかもしれないです。ハイエンドなオーディオシステムで、しっかりと音響的に調整されたこの空間で聴くと「本当はこういう音だったんだ」とよく分かります。ドラムがこっち、ピアノがここ、コルトレーンのテナーが左で鳴って、マイルス・デイヴィスが真ん中にいて、キャノンボールが右から出てる、っていう音場が立体的に感じられます。パートそれぞれの音の定位とバランスが、とてもいいね。

Q:次は、MALTAさんのお好きなキャノンボール・アダレイによる「something’ else」の中から、「枯葉(autumn leaves)」をお聴きください。こちらはブルーノート系なので、先ほどよりリバーブ感があるかもしれません。

MALTA:あ、こっちの音のほうが好きですね。ジャズでもミキシングがこんなに違うんですね。それこそ学生時代から何度も何度も、数え切れないほど聴いた曲だけど、レコーディングのコンセプトの違いが、一発で分かっちゃうシステムなんだね。緻密で正確というよりも、余計な味付けが一切ない、素材のそのままの「素朴な音」に感じられます。

Q:ちなみに初めて憧れたサックスプレーヤーは、キャノンボールだったのですか?

MALTA:最初は、ポール・デズモンドの「TAKE FIVE」ですね。次にキャノンボール。彼の「Work Song」にはかなり思い入れがありますね。そしてフィル・ウッズに出会い、今はチャーリー・パーカーが圧倒的にいいです。チャーリー・パーカーは演奏としては天才的なんですが、音源として録音が悪いものが多いので、最初はよく分からなかったんです。

Q:次は、MALTAさんご自身の曲を試聴していただき、感想をお願いします。 どの曲にしましょうか?

MALTA:では「ハーフ・ムーン・ストリート」を。ちょっとシャリシャリと枯れた音がして、たぶんベースがしっかり聴こえます。この曲は、ロンドンで録音した時に近くの情緒あるストリートをイメージした想い出深い曲なんです。

Q:(試聴が終って)音の印象はいかがですか?

MALTA:とてもいいですね。解像度が高くて、よくできたスピーカーです。息づかいまでよく聞こえますね。録ったときの音が、味付けなしにそのまま出ていて、なんだか裸にされているような気分です(笑)。

Q:次はどれを聴いてみましょうか?

MALTA:では「リフレクションズ」をお願いします。この曲は、車の中で聴いてもらえるように、音圧をしっかり上げているんです。どういう音がするかな?

Q:(試聴が終って)音の印象はいかがですか?

MALTA:なるほど! これはさっきの「ハーフ・ムーン・ストリート」とは作り方が全然違って、音がデザインされているんです。それぞれの楽器がしっかり出て、リバーブもかかっています。そのあたりがよく再生されていますね。それに音圧もディスコ風で、ガンとしっかり出ている。このオーディオシステムは、作り手の「こういう風に聴かせたい」という意図を、そのまま素直に伝えてくれるんですね。改めて聴くと「あー、もっとこうすればよかったな」って思っちゃうくらいです(笑)。

音楽の歴史を動かすようなスターを出したい、と思って教えています。

Q:MALTAさんは教育の面でもご活躍されていて、2014年からは出身校である東京藝術大学でも教鞭も取っていらっしゃいます。後輩たちにどんなことを伝えたいと思っていますか。

MALTA:藝大では「ジャズ・フュージョン概論」という音楽の歴史を担当しています。ジャズはまだ100年ほどの歴史しかありませんが、ものすごくたくさんのスタイルがあります。音楽が多様化している時代だからこそ、自分が好きなジャズがどの時代のどのジャズから進化して来たのかといったことを勉強し、その歴史を踏まえた上で演奏してほしいと思います。また、そうした知識に加えて僕が彼らに伝えたいことは「本当に大事なのは、自分なんだ」ということ。つまりオリジナリティですね。自分が何者で、何のために生れてきたかのか、そしてそんな自分がどんな音楽を演奏するのか。その大切さも伝えていきたいと思います。

Q:第一線で演奏してきたMALTAさんならではだと思います。学生の中にはMALTAさんのようにプロとしてジャズを演奏したいという人も多いのではないでしょうか。

MALTA:プロになりたいという学生は、いっぱいいるでしょうね。彼らは藝大生だから、演奏テクニックがあるのは当たり前。でも、そこからミュージックビジネスの中でやっていくためのスキルは、まだゼロです。プロの音楽家になって有名になる手段は、僕には教えられません。でもミュージックビジネスとして音楽で食っていくためのヒントは教えることはできます。アメリカでは「これをやれば仕事がある」とか「これをやらないと食えないよ」ということを、はっきり言います。それがミュージックビジネスです。せっかく藝大に入っても、食べていけないからと音楽をやめてしまう学生たちもいます。もしプロになりたいのなら、音楽で食べていく手段も学ぶ必要があると思います。

Q:プロとして音楽をやっていくためには、そういうバイタリティが必要なんですね。

MALTA:絶対に必要です。日本だけでも毎年大勢の音大生が卒業して、音楽の世界に職を求めて群がっていくんです。万が一仕事を依頼されたら、この上ない幸運。「仕事が来たら、絶対断るな。できなくてもできるって言え!」と学生には教えています(笑)。僕は学生の中から、スターを出したいんですよ。世の中を動かして、音楽の歴史に名を残すようなスターを。

8年がかりで完成した、オリジナルのメタルマウスピース。

Q:MALTAさんご自身は、アーティスト、あるいはプレーヤーとして、今後やりたいことはありますか?

MALTA:やはり、いつでもそうですが、いい曲を作りたいと思っています。 そして演奏も上手くなりたいです。もっといい演奏ができるように、自分のオリジナルのマウスピースも作ったんですよ。

Q:オリジナルのマウスピースとは?

MALTA:「MALTAモデル メタルMP」というアルトサックス用マウスピースです。サックスはマウスピースで全然音が変わるんです。それで多くのサックスプレーヤーは「理想のマウスピース」を探し求めてマウスピースを買い続けます。僕自身もビンテージのマウスピースを含めて今まで200本くらいは買いました。でも、理想的なものって、なかなか見つからないんですよ。本当にいいものはオークションにも出ないんですよ(笑)。それで今までたくさんマウスピースを買ってきた経験を活かして、今までより吹きやすいメタル製のマウスピースを作りました。結局この理想のマウスピースができあがるまでに、8年もかかりました。サックスプレーヤーでマウスピースにお悩みの方には、ぜひ試してもらいたいと思います。

Q:この試聴室は、ご予約いただければ、誰でも1時間、自分が好きなCDを聴くことができます。最後にこの試聴室に来る方へメッセージをお願いします。

MALTA:このオーディオシステムならお聴き慣れた音楽でも、「こんな音だったのか!」と驚くはずです。解像度が高くて原音に忠実な素直な音というよりも、いい意味で演出のない素朴な音です。ぜひ一度体感してみてください。

MALTA Profile

1973年東京芸術大学音楽学部器楽科サキソフォーン専攻卒業後渡米。卒業後はバークリー音楽大学に留学し、卒業後に同校の講師を務める。チャールズ・ミンガス、ジャック・マクダフ、1981ライオネル・ハンプトン楽団などでのプレイを経て帰国。1983にデビュー・アルバム「MALTA」をJVCより発売。アルバム「SPARKLING」で第1回日本ゴールド・ディスク大賞に輝く。2004年にジャズアルバム「MANHATTAN IN BLUE」を発表。2008年、大阪芸術大学の教授に着任。2014年より、東京芸術大学音楽学部の客員教授としても教鞭を振るう。

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<こちらの受付は終了しました>

締切:2015年1月20日(火)正午(AM 12:00)
当選者の発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。

次回予告 次回の“Artist Interview@試聴室”はシンガーソングライターの川嶋あいさんにご登場いただきます。ご期待ください。

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