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特集 2014.12.4UP | Artist Interview@試聴室 Vol.4

ジャズピアニスト 桑原あい Ai Kuwabara

「いい音楽、作んなきゃ」と思わせてくれる音。

幼少より天才エレクトーン少女として騒がれるなど早咲きの才能を開花。中学生の後半からはピアノに転向し、2013年には第12回東京JAZZフェスティバルへの出演を果たした、若きジャズピアニスト桑原あいさん。本日はHARMAN Storeの特別試聴室にお招きして、ご自身のアルバムや思い出の曲を試聴室のサウンドシステムで聴いていただいた感想や、桑原さんの音楽観などについてお話を聞きました。

Q:桑原さんは、普段どんな音楽の聴き方をしていますか。

桑原あい(以下A.K):家にはオーディオセットがあるので、普通にスピーカーで音楽を聴いています。最近同年代の子たちが、YouTubeなどをパソコンで聴いて、それが音楽だと思っている風潮があって、それって音に対するこだわりが、非常に薄いなって感じるんですよ。パソコンのスピーカーで聴く音楽と、大きなスピーカーで聴く音楽とが同じだと思っているみたい。聞こえないとは言わないけど、いろんなものが抜け落ちているので、とてももったいないと思います。私は基本的にiPhoneなどで音楽を聴くことはありませんし、仕事などで必要に迫られてパソコンで音楽を聴く場合でも必ずへッドホンを使って聴くようにしています。

Q:まだお若くていらっしゃいますが、レコードは聴いたことがありますか。

A.K:ありますよ。とても好きな音でした。私が初めて聴いたレコードはチック・コリアの「The Mad Hatter Rhapsody」。中学校1年生くらいの時でした。たまたま母が棚の整理をしていて、その時にLPを見つけたんです。これナニ?って。そしたら母がレコードだよって。「The Mad Hatter Rhapsody」は小学5年生の時からCDで聴いていたので、それをレコードで聴くとどうなのか、とてもワクワクしました。

Q:レコードとCDでは、印象はどう違いましたか。

A.K:レコードで聴いた「The Mad Hatter Rhapsody」はCDとは全然世界が違っていて、超ハマりました。CDの印象は、すごく綺麗で、白い壁のカフェという感じ。レコードは、茶色やえんじ色っぽい内装の、老舗の喫茶店のイメージです。でも残念なことに、そのレコードプレーヤーその後すぐに壊れてしまいました。

Q:メディアで音楽の楽しみ方は変わるのでしょうか。

A.K:たとえば音源のダウンロードは素晴らしいシステムだと思いますし、便利な世の中だと思うのですが、私は個人的には取り寄せてでも音楽は“盤”で欲しいタイプなんです。CDを開封するのも、音楽を聴く醍醐味の一つだと思うんですよ。アルバムのジャケットの素材がプラスチックか紙なのか、ライナーノーツがあるのかないのかも、作品として意味があると思うんです。ダウンロード音源にはそういった部分が失われているのがちょっと残念です。

Q:ちなみにハーマンにはJBL、AKG、マークレビンソンなどのブランドがありますが、ご存じでしたか。

A.K:全部知ってます。それに私、AKGのヘッドホンを使ってます! オーディオショップで試聴して気に入ったものを買うだけなので、品番は覚えてないんですけど、ゴツくてイヤーパッドがフカフカしたやつ(笑)。JBLは「いいスピーカー!」という印象は持っていますが、まだちゃんと聴いたことはありません。

色づけのない透明な音。何百回も聞いた曲なのに、新鮮です。

Q:それでは今日はJBLの最高峰モデル Project EVEREST DD67000とMark Levinsonのアンプ、CDプレーヤーで、音楽をご試聴いただきたいと思います。まず桑原さんが小学生の時に聴いて衝撃を受けたアルバムとお聞きして、リー・リトナーの「Captain Fingers」をご用意しました。何曲目をお聴きになりますか。

リー・リトナー / Captain Fingers

A.K:わあ、懐かしい! 楽しみです。1曲目の「Captain Fingers」が大好きなので、それをお願いします。

Q:(試聴が終って)いかがでしたか。

A.K:いい! 素晴らしい! 奥行き感がすごくある。音が超立体的。このバンドは、実際にプレーヤーが出す音がめちゃくちゃいい音だし、素晴らしいセッションをしているんだけど、それをこのオーディオは壊していません。普通のオーディオシステムだと、良くも悪くも一枚膜がかかっていて、そのオーディオのカラーが感じられるんです。ある意味で音楽がスピーカーの音に梱包されているような感じ? でもこの音には、それが感じられません。何百回と繰り返し聴いた曲なのに、音にすごく透明感があって、とても新鮮です。

Q:具体的に、どのあたりが印象的でしたか。

A.K:私はベースが好きで、特にこの曲でベースを弾いているアンソニー・ジャクソンが大好きなんです。彼のおかげで今ジャズをやっていると言ってもいいくらい。だからヘッドホンも低音を強調したものが好みだった時期があったのですが、このシステムにはそういった誇張は全くありません。むしろフラットなんです。それなのにめちゃくちゃ低音が出ている! 全部の音が素直に出てるんだと思います。全部の音が聴こえて、とても充実した音なので、1回聴いただけで満足できます。普通たいていは聴こえない音があるので、もう一回聴かせて、ってなるんですけどね。

Q:この曲にはどんな思い出があるのでしょうか。

A.K:小学校4年生の時、有名なベーシストを集めたコンピレーションCDを聴いたのですが、その中にこの「Captain Fingers」が入っていたんです。それでこの曲のベースのアンソニー・ジャクソンに衝撃を受けて、原曲を探したのが、このアルバムを聴くきっかけでした。この曲があまりに好きだったので、小学4年生の時この「Captain Fingers」をエレクトーンのコンクールで弾き、全日本で1位を取ったんです。ですから本当に何度も繰り返し聴いた曲でなじみ深い曲なんですが、今日はとても新鮮に感じました。とにかく、新鮮に聞こえたというのが、いちばんしっくりくる感想です。

正直言ってレコーディングスタジオよりも、克明に聞こえます。

Q:では今度は、桑原さんご自身の曲を聴いていただきましょう。まずは「THE SIXTH SENSE」です。何曲目がいいですか。

A.K:では、3曲目の「INTUITION 〜your sixth sense〜」と、4曲目の「CLOCKLIKE DROPS OF WATER」をお願いします。

Q:(試聴が終わって)どんな印象でしょうか。

A.K:……聴いていて緊張してしまいました。「音が近い」というのを、まず感じましたね。ミックスが「Captain Fingers」とは全然違うのがよく分かります。ここまで緻密に再生されると、すごいです。当たり前のことですけど演奏だけでなく、ミックスやマスタリングなど、すべてのプロセスにおいて「いいものを作ろう」と改めて思います。

Q:次は最新アルバムの「the Window」を聴いてみましょう。これはどれを聴きますか。

A.K:5曲目の「Innocent reality」を聴いてみたいです。

Q:(試聴が終わって)どんな印象でしょうか。

A.K:……正直言ってレコーディングスタジオよりも、克明に聴こえます。ベースは特にそう感じます。聴こえすぎて怖いぐらい。ai kuwabara trio projectのメンバー全員にこのオーディオシステムで聴かせてあげたいです。

私にとってジャズとはアンサンブル。本当のジャズがやりたい。

Q:桑原さんの曲を聴くと「今までにない音楽を作ろう」という強い意志を感じます。

A.K:確かにそういう気持ちで音楽をやっていた時期はありました。特に自主製作でデビューアルバムを出した頃、まだ19歳だったんですが「自分の音楽にジャンルなんて関係ない、とにかくカッコイイ音楽をやるんだ!」という思いが強かったです。当時はその意識しかありませんでした。

Q:それがいつ、どのように変化したのですか。

A.K:デビューアルバムを出して「これで私はプロになるんだな」と自覚したころから、だんだん意識が変わってきました。もちろん今でも「カッコイイ音楽をやる」という気持ちに変わりはありません。でも同時に「私はもっとジャズを知らないといけない」と思うようになったんです。今までだってジャズは聴いていました。でも本当には聴いていなかったかもしれない。ジャズにもっと真面目に向き合わなくてはいけない、と感じるようになった理由の一つには、2013年に「東京ジャズ」に出演させていただき、そこでスティーブ・ガットさんやボブ・ジェームスさん、山中千尋さんといった世界の一流の演奏家の演奏や人となりを目の当たりにして、その懐の広さを実感したこともあると思っています。

Q:やっぱり自分はジャズなんだと。

A.K:そう思いました。それで、もう一度ビバップ※1から聴き直しました。そしてビバップを知れば知るほど、すべての歴史はつながっているんだという実感を強く持ちました。私はミシェル・ペトルチアーニというピアニストのことを、オタクか、というぐらい大好きなんです。初めて聴いたのは高校1年生の時。自分の音楽観がガラリと変わった気がしました。当時、この衝撃はミシェル・ペトルチアーニの演奏が斬新だったからだ、と思っていたんです。でも違いました。今思えば、ミシェル・ペトルチアーニはビル・エヴァンスから影響を受けていたり、さらにエヴァンスの前にはアート・テイタムなどの、いわゆるビバップの巨匠がいるんですね。それなのに私はジャズの歴史を知ろうとしていなかった。それで改めてジャズを聴き直し、昔の奏法も学び直し、そして23歳になった今、本当のジャズをやりたいと思っています。

Q:桑原さんにとっての「本当のジャズ」とはなんですか。

A.K:今の私にとって、ジャズとは「アンサンブル」です。決まったフレーズをガーッとみんなでユニゾンで演奏するプログレ※2やロックの爽快感も大好きなんですが、今はもっと相手の音を聴き、自分の音も聴いて調和する喜びを大切にしたいと思っています。作る曲もデビュー当時とは変わりました。以前は譜面をギチギチに埋めて作曲していましたが、今はアンサンブルができるように、譜面もシンプルになりました。音に隙間を作ることで初めて、そこから豊潤なアンサンブルが生まれるということに気づいたんです。

Q:今後どういう音楽を目指していきたいですか。

A.K:たぶん今までは「私はこうなんだ」と表現したい気持ちが強かったのだと思います。譜面をギチギチに詰めていたのも、そのせいです。でもアンサンブルを大事にし、相手と調和して音楽を作りたい、と考えるようになったら、日常でも考え方が変わって、母にも優しくなったような気がします(笑)。今は音楽って自分一人が向き合うものではなく、人と人とが向き合うこと自体が音楽なんじゃないかな、と思っています。ジャズを聴き直すことで、伝統の重みに触れ「私はジャズが好きだ」ということを再確認しましたので、今後はジャズを背負って、新しいことにもチャレンジしていきたいと思っています。

Q:この試聴室は、ご予約いただければ、誰でも1時間、自分が好きなCDを聴くことができます。最後にこの試聴室に来る方へメッセージをお願いします。

A.K:私もまずはai kuwabara trio projectのベーシストを誘って、もう一度自分の音源を聴きに来ます(笑)。自分のベースをこのシステムで聴いたら、すごく喜ぶと思います。みなさんもぜひ自分の好きなCDを持ってきて、この素晴らしいサウンドを体験してみてください。

桑原あい Profile

1991年生まれ。ジャズピアニスト。幼少よりヤマハ音楽教室にてエレクトーンと作曲を学び、ジュニアエレクトーンコンクール全日本大会金賞を受賞。雑誌 “AERA” に天才エレクトーン少女として掲載される。中学生後半よりピアノに転向。2010年、洗足学園高等学校音楽科ジャズピアノ専攻を卒業し、セルフプロデュースによる1stライブを皮切りに、ライブ活動を行う。
2011年5月〜8月「The Young Americans Dinner-Theater Europe」のピアニストとしてドイツに滞在。現在、自身のトリオプロジェクト「ai kuwabara trio project」のほか、ジャズを中心に演奏活動を行っている。

※1 「ビバップ」 1940年代に起こったジャズの新たな流れ。従来のスイング-ジャズより小人数編成で演奏され,アドリブを重んじ高い音楽性を持つ。モダン・ジャズの起源ともされる。

※2 「プログレ」 プログレッシブ・ロック。1960年代後半のイギリスに現れたロックのジャンル/スタイルの一つ。様式にとらわれない実験的な試み、クラシック音楽のような芸術性と構成美、高度な演奏技術による演奏、変拍子の多用などが特徴として挙げられる。

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<こちらの受付は終了しました>

締切:2014年12月15日(月)正午(AM 12:00)
当選者の発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。

次回予告 次回の“Artist Interview@試聴室”はサックス奏者のMALTAさんにご登場いただきます。ご期待ください。

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