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HARMAN Owners' Club ハーマンオーナーズクラブ

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特集 2014.9.2UP | Artist Interview@試聴室

ジャズギタリスト渡辺香津美 Kazumi Watanabe

伝えたかった音の世界が、そのまま表現されている。

日本が世界に誇るトップジャズギタリスト渡辺香津美さんが、HARMAN Storeの特別試聴室に! JBLスピーカーとの出逢いや試聴室のオーディオシステムのサウンドチェック、これからの音楽活動についてなどをお話しいただきました。

JBLとの出逢いは、スリー・ブラインド・マイスでのレコーディング。

Q:最初の質問ですが、「JBL」に関する思い出やエピソードはありますか?

渡辺香津美(以下K.W):ちょうど僕がプロとしてデビューした頃、スリー・ブラインド・マイス※1という日本のジャズ専門のレコード会社があったんです。当時としては「日本人のジャズマンの演奏を最高の解像度で伝えたい」という志を持ったレーベルだったのですが、そのエンジニアが彼のこだわりとして、レコーディングのモニターにJBLを使っていました。だからJBLというと、まずそれを思い出しますね。

Q:当時のJBLの音のイメージはどんなものでしたか。

K.W:ものすごくストレートな感じがしましたね。すごくアメリカンな音。「まんま音が来る」っていう印象でした。それとレコーディングスタジオだけでなくて、フェンダーのツインリバーブ※2っていうギターアンプがあるんです。そのアンプに一時期JBLのスピーカーが使われていたことがありました。たまに借りて使ったりしましたが、音がストレートでスコーンと音が飛んでいく感じがしました。だから僕のJBLに対する印象っていうのは、ものすごくストレートな音、という印象です。

渡辺香津美

この音はレコーディングの最終仕上げで聴いた音、そのものです。

Q:わざわざ試聴室にご足労いただきましたので、JBLのProject EVEREST DD67000とMark Levinsonのアンプ、CDプレーヤーとの組み合わせで試聴いただいて、率直な感想をお聞かせいただければと思います。試聴用に渡辺香津美さんのCD「スピニング・グローブ」をご用意しました。

K.W:じゃあ、トラックの6「Reflection Of Paris」をお願いします。

渡辺香津美

Q:(試聴が終わって)どんな印象でしょうか。

K.W:うーん、これは欲しいな(笑)……。ほとんどもう完成形というか、マスタリングスタジオで、最終的にミックスしたものを完成品に落とし込む時にエンジニアと一緒にチェックした音が、もうそのまんま(笑)。

Q:具体的にはどのあたりの音が印象に残りましたか。

K.W:この曲はドラムのバージル・ドナティの作品なんですが、レコーディングの時にものすごくスペーシーで奥行きのあるサウンドに仕上げたいねって、彼と相談したんです。結果としてそれが実現されてますね。
この曲のイメージは、中世のお城みたいなところで、裏に木があったりとか、水があったりとか、いろんなものがある感じなんです。それをバンドのサウンドで表現したんですが、でも部屋で聴く音は、その音世界の「ありがたみ」みたいなものが、非常によく表現できている。「この曲はリスナーにこう伝えたかった」という音のイメージが、そのままサウンドになって出てる気がします。とても嬉しいです。

Q:この曲の試聴では、どのあたりをフォーカスして聴いたのでしょうか。

K.W:この曲はギターのハーモニーによって、音が微妙に動くんです。コンソールのPANで定位を実際に動かしているのではなく、ギターの弾き方のタッチや倍音、そして他の楽器との音色の兼ね合いで、音が動いて聞こえる。そのあたりを聴いていました。
もう一つはドラムのサウンドの奥行き感ですね。レコーディングスタジオを全部フルに使い、エアーマイクなども使って空間感を活かしたレコーディングをしたので、そのあたりがどう再現されているかという点。そこもディテールが非常に良く出ていて、立体感もよく感じられました。
サウンドを作るのって、絵を描く行為に似てると思うんですよ。音にいろんな色をつけて絵を描くイメージ。僕の場合スタジオでギターを弾いて、そのまま「はい、おしまい」じゃダメで、弾いたら最後まで、その音がCDとして完成するところまで責任を持ちたいという気持ちがあるんです。だからいわゆるエンジニア的な領域までも追求したいと思っています。

Q:そういう意味ではEVEREST DD67000は、渡辺さんがレコーディングの時にイメージしたサウンドが、そのままの色合いと奥行きで表現できているということでしょうか。

K.W:そうですね、かなりいい感じで再現できています。

Q:それは以前のJBLの音の印象と違うんですか?

K.W:実は今日は、今まで自分の持っていたJBLのイメージをちょっと変えたかったってのもあって、楽しみにしていたんです。僕が若いころに聴いたJBLの感じっていうのは、ある意味ストレート過ぎたんですね。ヘタなところまで出ちゃう感じがあったんです。ちょっとここまで聴かれると嫌だな、みたいなところまで出ていた。あまり裸にしないでっていう感じ。
でも今日の音の印象は違いますね。何だろうな。やっぱり全部がきれいに聞こえるっていう方向なのではないでしょうか。非常にいい印象を持ちました。

Q:これはJBLの音ということのなのでしょうか。

K.W:うーん、やっぱり、スピーカーだけじゃなくて、パワーアンプとかね。すべてのシステムが一体となってこのサウンドができあがっているように思います。

この試聴室はとてもファミリアーな感じ。非常にリラックスして音楽が聴けます。

Harman担当者:本日渡辺さんにご試聴いただいているオーディオシステムについて、私からご説明させていただきます。このスピーカーはJBL Project EVEREST DD67000で、私どもが取り扱っている中では最高峰のモデルとなります。ParagonというJBLを代表するモデルから引き継いだ構成で、38インチのスピーカー2発を積んでいます。そして真ん中にあるパワーアンプがMark Levinsonの最高機種であるデュアル・モノラル・パワーアンプのNo532。それからプリメインアンプ、プレーヤーもMark Levinsonの最高級モデルとなっています。

K.W:素晴らしいですね。この試聴室は、予約すれば誰でも聴くことができるのですか。

Harman担当者:はい。1日に3回、1時半と4時と7時半で予約を受け付けております。遅い回の7時半からであれば、会社帰りでもお寄りいただけるのではないでしょうか。ご予約いただくと1時間ゆっくりご試聴いただけます。お好きなCDを何枚でも持って来ていただいて、聴き慣れた音源をこのシステムで聴いてみていただきたいと思っています。

Q:この試聴室を設けたのはどんな理由ですか。

Harman担当者:昨今はオーディオといっても簡単に聴けるヘッドホンや小さいスピーカーで終わってしまうことが多いと感じています。このような状況では渡辺香津美さんのようなアーティストの方々が心血を注いでお作りになっているような緻密な音を、忠実な音色でストレートに聴ける機会がほとんどありません。そこでHarmanインターナショナルでは、日本で初めての直営店をスタートしたのを機会に、「いい音で本当の音楽を聴く」ことを体験していただくために、この試聴室を作りました。

Q:渡辺さん、試聴室の印象はいかがですか。

K.W:非常にファミリアーな感じで、いいですね。

Harman担当者:あまり現実離れした、すごすぎる試聴環境だと「自分には関係ない」ってなってしまうと思うんです。今この試聴室は約10畳で設定をしておりますが、できるだけご自宅でも再現できそうな環境にしています。

K.W:やっぱりそういう意図なんですね。ソファーの感じも壁の感じも、普通の部屋みたいで、非常にリラックスして音楽が聴けます。こういう音を聴くという体験、そしてこういうHi-Fiオーディオという世界があるんだな、ということを知るだけでも違うと思います。

従来からある音楽を「香津美流」で表現したい。それが今の一つの目標です。

Q:渡辺香津美さんの近況やこれからの活動について教えてください。

K.W:この8月は「KAZUMI WATANABE × JEFF BERLIN × JOEL TAYLOR Italy tour」でイタリアに行って来ました。イタリアも日本と同じくらいジャズが盛んなんですが、実際にギターを持って外へ出かけて行って生の演奏を聞いてもらうっていうのは、やっぱり大事だなと思いました。もちろんレコードを作って聞いてもらうっていうことも大事なんだけど、実際にその場に行って聞いてもらうっていうことが、ますます大切になっていると感じます。自分としても生の演奏がすごく好きですし、演奏した後にオーディエンスの方々と会って、ああだった、こうだったみたいな話しを飲みながらするのも面白いですしね。

Q:今後やりたいことはどんなことでしょうか。

K.W:今後やりたいことはたくさんあって(笑)。たとえば数年前からクラッシックギターで有名な「アランフェス協奏曲」を何年かにごとに演奏する機会があるのですが、クラッシックギタリストではない、ジャズギタリストの僕がやるのにどうしようかなと思っていて、このあいだ指揮者の方に会ったときに、「全部エレキでやりましょうよ」と言ったら、「それ面白いね」とか言ってくれました。だから、いつかエレキでアランフェスが実現したらいいなと思っています。そんなふうに自分が思うギターのスタイルで、従来からある音楽を「ちょっと香津美流」に表現できたらっていうのが、今の一つの目標ではありますね。
それと、エレクトリックもアコースティックも全部の楽章で使う、いろんなギタリストがそれを弾く、みたいな、そういう組曲を作って見たいですね。前にも作ったことがあるんですが、さらにそれを拡張して、香津美の作ったギター・コンチェルトみたいなもの。それで世界中を回れると楽しいかなあと思っています。

Q:それは具体的にはどんなイメージなのでしょうか。

K.W:コンチェルトの基本フォーマットだと、普通はギターって1人だけじゃないですか。そういう風にソリストだけが目立つのではなく、例えば僕がエレキを弾いてる時に、横でアコギを弾いてるヤツもいたりして。もっとギターワールドがどんどん融合していく、みたいなものです。
これ、何が目的かっていうと、世界中のいろんなところに行ったときに、その町へ行って「求む!アコギ弾く人」とか「求む!エレキ弾く人」とかっていって、現地のギタリストを探して、ちゃんとリハーサルもして。単なるセッションじゃなくて、ちゃんとコラボしながら同じ曲を共有できたら楽しいんじゃないかなって思っているんです。今までそういうのって、たぶんないと思うんです。今60歳なので、70歳ぐらいまでの10年間で、またそういうものを作っていければいいかなと思います。

Q:それはとても素敵だと思います。

K.W:実はこの間イタリアツアーした時にドライバーをやってくれた、ルチアーノっていうでっかいイタリア人がいて。彼がデス・メタルのベーシストで、ステージでドドドドドーっと、グアーっと叫びながら弾いてるの見せてもらって。で、僕は全くそういうものとは接点がないので、共演なんてあり得ないと思っていんたんです。でも彼のほうから、「香津美とやってみたい」って。それ面白いんじゃないかって。その時はできませんでしたが、いっしょにできる器というかフォーマットを作ればできるのではないかと思いました。実際のところジャンルがどうのっていうのはどうでもよくて、要するに、人同士の出会いで、やってみたら、何かまた変なことになっていっちゃうんじゃないかっていうのも面白い。だから、みんなで一緒にワーってやる器がほしいんです。で、そういうものでできた演奏を録音して、それを、こういう素晴らしいシステムで聴くとまたいいかもしれないですね。

Harman担当者:ありがとうございます。

Q:ぜひ聴いてみたいです。今日はありがとうございました。

渡辺香津美 Profile

1953年東京都渋谷区生まれ。名実ともに日本が世界に誇るトップジャズギタリスト。17歳で衝撃のアルバムデビュー。以来常に最先端インストゥルメンタル・ミュージックを創造し第一線で活躍している。’79年、坂本龍一と伝説のオールスターバンド<KYLYN(キリン)>を結成。YMOのワールドツアーに参加。’80年には<トチカ>が記録的な大ヒットアルバムとなる。現在はエレクトリックギターによるジャズ・フュージョンのプロジェクトと並行し、アコースティックを中心としたソロワーク<ギター・ルネッサンス>シリーズでも活発に活動。洗足学園大学ジャズコース客員教授。

注1:
スリー・ブラインド・マイス (Three Blind Mice, TBM)
おもに新進の演奏者たちを世に出すことを目指して1970年6月に設立された、日本のジャズ専門レーベル。およそ130枚のアルバムを制作。日本ジャズの発展期の姿を捉えた意味でも重要であり、同時にオーディオ愛好家好みの高品質なサウンドで知られた。

注2:
フェンダー・ツイン・リバーブ
エレクトリックギターのトップメーカーであるフェンダー代表するギターアンプ。明るくクリーンなサウンドが特長。60年代から80年代にはJBLのスピーカーをマウントしたものが存在した。

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<こちらの受付は終了しました>

締切:2014年9月16日(火)正午(AM 12:00)
当選者の発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。

次回予告 次回の“Artist Interview@試聴室”はヴァイオリニストの川井郁子さんにご登場いただきます。ご期待ください。

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